こうの史代の「長い道」はホラー漫画だ。この言切りは無理があるだろうか。実際、この漫画はいろんな技法が試されていて、かなり多面的だと思う。僕がこの漫画をホラーだと言いたくなったのは、「長い道」にいくつか差し挟まれているホラー的構成をもった挿話を拾い上げてのことではない。この漫画の底にある、夫婦というものへの、こうの氏のアプローチを指して「ホラー」といいたいのだ。それは、既成の漫画や映画、小説の「ホラー」というジャンルからはずれるかもしれない。 gooの辞書で調べると出てくる hor・ror :━━ n. 恐怖; (the 〜s) たいへんな悲しみ[悩み], 身震い; 嫌悪(けんお); 恐ろしい物[人] こういった「おそろしさ」を男女というものの基底におきながら、なおかつそれを受け入れてゆくような人の在り方が描かれたのが「長い道」という漫画なのだと思う。 具体的に作品を見て行くと、「おそろしさ
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