HONZメンバーの田中大輔から突然、12月末に年間ベストを書け、と言われた。ええ、私、12月のこれから売る本の原稿を書いたばっかりだよ、と心中涙目だったのだが、なんとなく逆らえず、了解の旨伝えた。 そもそもある日田中が、ちょっとHONZってサイトに書いてくれない?と言ってきたときに、何も考えず、いいよーと返事をしてしまったのが迂闊だったのだ。その頃私は、理工書担当になってようやく1年がたつころで、何となく仕事の流れはわかってきたものの、相も変わらず複素関数って何?5Sって何?有機合成って何?と1つ1つわからない単語を調べながら、理工書の各ジャンルに向かい合っていたのだった。 高校時代、数学はいつも赤点で、大学に行けるのかこいつ、と危ぶまれたものだった。大学入試はセンター試験の結果と小論文だけで、お題が何だったかもう記憶はあいまいだが、赤味噌と消しゴムを題材にした気がする。今となっては自分の