山下さんの本来の所属部署は本社法務部。多様な契約書の作成をサポートし、書類のチェックにも一部携わっているという。そんな本社スタッフが、ディスコでは生産が繁忙になると続々と工場に入っている。しかも、社命ではなく、募集をするとあちこちから手が挙がるのだ。生産ラインが忙しくなり出した20年ごろから支援は本格化し、ピークの21年夏には本社を中心に200~250人が工場に入った。工場の従業員が約650人だったから全体の4分の1を占めたほどだ。 繁忙の工場に、他の工場からライン従業員が支援に行くことは、製造業では珍しくはない。だが、本社を中心にこれほどの規模で、しかも「おおむね1年程度、2年という人も珍しくない」(明整一朗・製造本部副本部長)というほどの長期となると極めて珍しい。