筆者は3年ほど前まで、日本のメーカーで技術者として研究開発に従事していた。そんな筆者がこれから伝える内容を記事にするのは複雑な気分だが、近年、日本企業が技術者の採用に苦労しているようだ。 苦戦理由の1つが、給与水準の低さだ。特に欧米との給与の格差により、海外の人材を確保しづらくなっている。経済協力開発機構(OECD)が公開したデータによると、日本の2023年の年平均賃金は4万2118米ドルで33カ国中24位にとどまる。米国の7万7226米ドルやその他の欧州地域と比べても見劣りする。昨今では、円安によって一層、米ドルベースの給料水準が下がる傾向にある。