現在、月面基地は原子力発電で使用電力を賄っているわけだが、実のところこれがものすごく効率が悪い。 毎日毎日、何便も行き来する往復機の貴重な貨物エリアの一部を、この原子力発電に必要な資材が占めていることを考えれば、いかにももったいない。 月面基地の建設開始前は太陽光発電が考えられていたものの、いざ建築が始まれば大量の物資、人材、生活必需品を運び込む過程で往復機が頻繁に離着陸を繰り返したため、巻き上げられた大量の塵が太陽光を遮ってしまったのだ。 残念なことに、大きく舞い上げられた塵は静まる前に次の往復機を迎え、なかなか地面に戻れず、徐々に空中土量は増大していった。 と、まあ日光の遮光だけでもやっかいなこの塵なのだが、更にやっかいなのは太陽光パネルの上に堆積する事だ。 月面に風はなく、雨も降らない。火山灰の様に土砂が堆積した太陽光パネルは清掃するまで機能を果たさないが、この土砂除去をやるのは人力
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