ロラン・バルトは中途半端な人である。言葉が悪ければニュートラルな人と言おうか。文芸評論家、構造主義者、著述家、社会評論家、先生、思想家…?バルトにはいつもはぐらかされる。長いのか短いのか、64年という人生を交通事故(事故?自殺?)であっさりと逝ってしまった。性癖はゲイ、男でもなく女でもない。晩年は太るのを気にしていたそうだが残されたバルトの写真は太ってもいず、痩せてもいず、険しい顔でもなく笑っているのでもない。生前最後に出版された「バルト自身による、バルト」(邦訳「彼自身によるロラン・バルト」)にはこうある。 「ここにあるいっさいは、小説の一登場人物によって語られているものとみなされるべきである」 バルトが残した著作は多く多岐にわたる。また「記号論」による文芸批評、社会批評からは「テクスト」「エクリチュール」「表徴」といった用語を生み出した。ここでこれらの用語の解説をする気はないが、読まれ
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