アニメ音楽丸かじり(82) 『坂道のアポロン』は若さ溢れるセッション! 和田 穣 『アクエリオンEVOL』の新エンディング曲「ユノハノモリ」を、10回聴いて10回泣いた和田です。小倉唯のか細く幼い声と、ジンへの想いを豊かな詩情に包み込んだ歌詞がなんとも切なくてたまらない(作詞には新居昭乃が名を連ねている)。注目していただきたいのが、曲のラスト「そばにいてほしかった」のロングトーン。ユノハの声は基本的に裏声の声域なのだが、最後の最後で一瞬地声にひっくり返っているのだ。これは歌唱技術の点から言えばミスかもしれないが、その部分にこそ万感こもった哀惜の感情が表現されていて、強く心を揺さぶられる。小倉に歌唱指導したという菅野よう子も、ディレクターもそれを理解してこのテイクを採用したのだろう。音楽には完成度よりも重要なものがある、という事を如実に示す好例だと思う。 なおこの楽曲は5月23日発売の『アク