前回までに、戦前までの辞書における「右」の語釈を見てきました。 「右」は国語辞書でどう説明されてきたか(1)明治の辞書 - 四次元ことばブログ 「右」は国語辞書でどう説明されてきたか(2)大正~戦前の辞書 - 四次元ことばブログ 戦後になり、ようやく「右」の語釈に個性と呼ぶべきものが現れてきます。やはり刊行順にどんどん見てまいりましょう。 前回最後に見た『明解国語辞典』(以下、明国)の改訂版が、三省堂が戦後はじめて出した小型辞書です。初版の語釈から「人が」を削り、若干こなれました。 みぎ(0)[右](名)(一)日の出るほうへ向かって、南のほう。 ――『明解国語辞典』改訂版(1952) 同年に三省堂が刊行した『辞海』は、『辞苑』に対抗して企画された中型の辞書。「右」は非常にシンプルです。 みぎ[右](名)(一)[0]東に向かって南の方。↔左 ――『辞海』(1952) さて、明国は初版と改訂版