今年は異例中の異例で梅雨が早く明けて急に夏がやってきた。 久々に街中に用があって、その帰りがけの夕刻に神田を歩いていた時のこと。 不快なまとわりつくような湿気に包まれた暑さが、急にどこかであった感覚と結びついた。 そして、不快であるはずのこの暑さが、なぜだか同時に気持ちの良さもまとっているように感じられた。 この気持ち良さは、そして、なつかしさは、どこのものだったのだろうか? ・・・・・ そうだ、それはもう25年は優に超えた昔のことになるだろうか。 私は、同じように不快なまとわりつく湿気に包まれた暑さの中を歩いていた。 場所は香港だ。 何で香港に居たんだろうか? ひとつひとつ記憶を手繰り寄せていくと、ここまで全く忘れていた最高の思い出が徐々に蘇ってきた。 夢のような香港 あれは、バブルが弾けて日本が停滞期に入った頃だった。 美味しいものを食べるのが大好きな後輩が同じマンションに住んでいて、