日経BP社の出版局(書籍などを担当)にいるK氏が,発行直前の新刊書を送ってくれた。筑波大学 助教授の桑嶋健一氏が執筆した『不確実性のマネジメント~新薬創出のR&Dの「解」』という本である。筆者への伝言として「クスリのものづくりにもマネジメントがあるんだ,という本を作ってみました」とある。 桑嶋氏の論文は,以前に機能材料の競争力を考えるうえで参考にさせていただいているが(本コラムの以前の記事),今回の本は畑違いの医薬品だ。筆者は昔,医師向けの雑誌である『日経メディカル』の記者をしていたことがあるので,医療用薬品の世界は個人的には懐かしいのだが,このコラムの読者である製造業の方々にとってはあまり関係ないかな,と思いながらこの土曜日に読み始めた。ところがどっこい,分野を超えた面白さに一気に読了した。 この本を読んで筆者が最も考えされられたのが,同書のテーマである「研究開発マネジメント」からは若干