神戸市立中央図書館で、各務忠方の『誰にも分るタイプライターの構造と使ひ方』(太陽堂書店, 大正13年11月)を読んでいたところ、108ページのところで以下のネタにぶち当たった。 キーの配列に就ては何故アルファベット順に配列されて居らぬかは初學者の誰しも起す疑問であるが、現に使用せられてゐるキーの配置はUnivenrsal又はStandard Keyboardと稱せられて、此配列法は左右双手を相互に迅速に活動し、平均に使用させんが爲めで、之れによつてタイプバーの衝突を比較的に輕減する事が出來、尚ほ又速力の點から云つても最も利益があるのである。 「Univenrsal」って誤植ヒドイな、と思いつつも、大正13年っていえば1924年だぞ。「活字棒の衝突を防ぐため」説としては、たぶん日本では初出なんじゃないだろうか。というのも、私が知る限りでは、QWERTY配列が「活字棒の衝突を防ぐため」という説