平和条約問題も話し合った首脳会談後に共同記者発表に臨む安倍晋三首相(当時)とプーチン露大統領=大阪で2019年6月29日、大前仁撮影 真冬のモスクワに赴任してから2カ月。日露関係も厳寒の季節に入っていることがヒシヒシと伝わってくる。予見し得る将来に、北方領土交渉などが再開する見通しはほとんど立っていない。 ロシアがウクライナへの攻撃に踏み切ったことを受け、欧米諸国に同調した日本はプーチン大統領への制裁に踏み切った。それから1年が過ぎた今でも、岸田政権は表向きはロシアとの交渉を諦めていないとの立場を繰り返す。ただしプーチン政権が日本との交渉に応じる可能性はほとんどないのが実情だ。 あるロシア人の外交官は「今は第二の安倍首相が出てくるのを待つだけだ」と口にする。対露関係の拡大に取り組んだ安倍晋三元首相(故人)を懐かしがっているだけではない。岸田政権が存続する限り、日本との関係改善に臨むつもりが
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