作者:ショーン・B. キャロル 翻訳:高橋 洋 出版社:紀伊國屋書店 発売日:2017-06-15 「果てしなく広がる平原」の意味を持つセレンゲティ国立公園ではキリン、シマウマ、ヌー、ライオン、など様々な動物の群れをみることができる。そして、そこで暮らす動植物たちは普遍的な法則に支配されている。たとえば牛疫が取り除かれヌーの生息数が増加すると、ヌーの主食である草は減少する。そうすると今度は乾季に燃える可燃物が減って火災が減少し、樹木が増加し、それを餌とするキリンが増加。また、ヌーの捕食者であるライオンやハイエナが増殖する。 つまり、ヌーの個体数が増加したというその一点の変動によって、連鎖的に捕食者、樹木、キリンなどなどの他の動植物にまで大きな影響を与え、セレンゲティ国立公園には新たな”均衡”が生まれることになる。本書『セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか』は、そうした生態系にお