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一、二日たったであろうか? ばりっ!ばりりっ! 日野阿新丸を持仏堂に閉じ込めていた板が一枚ずつはがされた。 キイィィィ~。 で、最後に戸が開け放たれた。 阿新丸は突然の光に手をかざしてまぶしがった。 光の中に本間三郎が立っていた。 年老いた僧も隣に立っていた。 僧は何やら大きな箱を抱え持っていた。 そして、それを阿新丸に差し出してきた。 阿新丸はわけも分からずにそれを受け取った。 「御遺骨です」 「え?」 三郎が手紙のようなものを阿新丸に渡しながら説明した。 「幕命により、貴殿の父・日野資朝殿を処刑した。これが辞世の句だ。葬儀もすでにすませた」 五蘊(ごうん。=色+受+想+行+識)仮に形を成し 四大(仏教でいう四元素=地+水+火+風)今空に帰す 首をもって白刃に当つ 截断(せつだん)す一陣の風 「ひやあぁぁぁー!」 阿新丸は箱を抱えてうっぷした。わめき、叫び、激しく三郎に詰め寄った。 「ど
何日も過ぎた。 「父に会わせてください!」 日野阿新丸は本間山城入道の顔を見るたびに同じことを頼んだが、彼は決して聞いてくれず、はぐらかすだけであった。 「それより、一緒にどこかにお出かけでもしないか?佐渡にはいいところがたくさんあるぞ。トキのほか色々な鳥も飛んでいるぞ。わしが案内してやろう」 「嫌です!」 「あっそう。誰が会わせてやるもんか」 資朝が閉じ込められている牢屋(ろうや)の場所は分かった。 しかし、番人が何人もいて、絶対に近づくことはできなかった。 「いったいどうすれば父に会わせてもらえるんだろう」 阿新丸は考えた。 「近いうちに資朝殿は処刑されるそうな」 山城入道の家来たちがそんなうわさをしているのも聞いてしまった。 (どうすればいいんだー!?) そのとき、母が言っていたことを思い出した。 『いいですか。どんなことがあっても、「なんでもする」とだけは絶対に言ってはなりません』
日野阿新丸は、父・日野資朝を救うために佐渡へ向かった。 お供には聖護院(しょうごいん。京都市左京区)僧・大膳坊賢栄(だいぜんぼうけんえい)と、長年仕えている中間(ちゅうげん)を一人連れていった。 徒歩で越前敦賀(つるが。福井県敦賀市)へ行き(あるいは琵琶湖を船で)、敦賀からは商人船に乗せてもらって佐渡に渡ったのである。 佐渡守護代・本間山城入道の館は現在の妙宣寺付近にあったとされている。 阿新丸が館の中門で立っていると、若い武士が声をかけてきた。 「迷子?」 「いいえ」 若い武士は賢栄と中間を見て勝手に推測した。 「わかった!勧進(かんじん。募金)でしょ?。へー、子供をダシに使ってるのー。そりゃむさいオヤジが集めるより、たくさんカネが集まりますよねー。考えましたねー。でも、そんなちゃちな手は、この辺の者は引っかかりませんよー」 「違います!私は日野資朝の次男の阿新丸です!私は父に会いに来た
元弘元年(1331)、正中の変(「秘密味」参照)で鎌倉幕府倒幕に失敗していた後醍醐天皇(「天皇家系図」参照)は、懲りずに二度目の倒幕を計画した。 が、今度もまた、側近・吉田定房(よしださだふさ)の密告によっておじゃんになってしまったのである。 「主上(後醍醐天皇)御謀反!」 知らせを受けた鎌倉幕府は、京都に使者を差し向けると、蔵人頭・日野俊基(ひのとしもと。「日野家系図」参照)、僧正・文観(もんかん)、法勝寺(京都府左京区)僧・円観(えんかん)らを逮捕した。 で、後醍醐天皇の処分も協議したのである。 内管領・長崎高資は主張した。 「首謀者は帝(みかど)に間違いない。しかも今回は二度目だ。たとえ帝といえども許すわけにはいかぬ。すみやかに帝と尊雲法親王を島流しにし、日野資朝(すけとも)や俊基らを処刑するよりほかあるまい」 しかし、政所執事・二階堂貞藤(にかいどうさだふじ。道蘊)は反論した。 「
康応二年・元中七年(1390)三月、足利義満は山名氏清と山名満幸を花の御所に呼び付けた。 「先年、余は厳島に詣でた」 「存じております。私もお供いたしました」 満幸も厳島詣に随行していたのである。 「その際、そちらの当時の当主・山名時義にも随行するよう命じたが、ヤツは来なかった」 「はあ。あの当時、時義は病気で伏せておりましたゆえ」 「嫡子の時煕はちょっと顔を出しただけで帰り、その弟の氏之は来もしなかった……」 「時義を看病しておりましたゆえ」 「主君の召集命令に参じない武将が考えることとは何じゃ?」 「はあ?」 「謀反であろうっ!」 「なんと!」 「むほほーん!」 氏清も満幸も仰天した。 義満は仁王立った。額に青筋を立ててまくし立てた。 「そうじゃ!そちら山名一族は謀反をたくらんでいたのであろう!この花の御所をどうやって襲撃しようか、みなで悪知恵を働かせて計画を練っていたのであろう!なん
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