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生活保護の受給者が200万人を超えて、戦後の混乱期(1950年)に制度が創設されて以来の最多水準に達しています。生活保護にかかる経費は3兆4000億円を超え、自治体の負担も大きく、このままでは制度自体が崩壊してしまいます。 「自力では生きていけない貧しいひとたち」をいかに救済するかは、どこの国でももっとも議論を呼ぶ問題ですが、ここではノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスの意見を紹介しましょう。 バングラデシュの経済学者ユヌスは、“貧者の銀行”と呼ばれるグラミン銀行を創設し、貧困の改善に大きな功績を残しました。バングラデシュは世界でもっとも貧しい国のひとつで、旱魃や洪水などの自然災害が起きると何十万人ものひとが餓死してしまいます。国民の半分は読み書きができず、一人あたりGDPは約700ドルで、日本の65分の1程度しかありません。 ユヌスはこの絶望的な貧困とたたかうために、マイクロクレジッ
富という物は、増える物なのだよ。そのメカニズムを説明いたしましょう。 たとえば、世界に二人(A君とB君)しか人間がいないとしよう。そして、1万円札が1枚だけあるとしよう。この時点では、世界全体の富の合計金額は、たったの1万円ということになる。 最初、A君が1万円札を持っていたとしよう。B君はそれが欲しかったので、A君のために家を作ってあげて、A君に1万円で売ってあげた。その結果、今度はB君が1万円札の所有者となった。A君の手からは1万円札が失われたが、かわりに家が残った。この時点で世界全体の富の合計金額は2万円ということになります。(1万円札+1万円相当の家) 次に、A君くんは、ふたたび1万円札が欲しいと思い、B君のために家を作ってあげてB君に1万円で売ってあげた。その結果、今度はA君は1万円札と家の所有者となった。B君の手からは1万円札が失われたが、かわりに家が残った。この時点で世界全体
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