2014年03月08日15:41 カテゴリ新聞雑誌エッセイ 書評 T.ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』 あまりにブログを更新しないのもどうかと思うので、最近、雑誌や新聞に書いたもののなかから転載することにします。 今日は書評です。紙幅に限りがあって書ききれなかった、ほんとうはとても気になることがあるので、後日、続編として書いてもいいけれど、それを書くにはネタバレが避けられず…悩ましいところです。 ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』(森内薫訳、河出書房新社) 現代のベルリンによみがえり、そっくりさん芸人としてテレビ界の寵児になったヒトラー。彼と周囲の人々の、ボタンの掛け違いから生じるスラップスティックの体裁をとった、けれども内実は恐ろしい小説だ。 ドイツは反ナチス法で、ナチスを連想させる意匠や主張を禁じている。ヒトラーをパロディ芸人と思い込む人々や「演じる」本人に、いかにそのへ