12月11日に弊社より菅野完(著)『日本会議をめぐる四つの対話』を出版いたします。出版に先駆け、本書の「はじめに」を無料で公開いたします。ご一読いただければ幸いです。なお、Amazonからも予約可能ですので、ご利用いただければと思います(Amazonの予約はこちら)。 ――――――――――――――――――――― いつの頃からか我々の社会は、「嗤う」ことを覚えた。 田畑の泥や工作機械の油にまみれて働く人々を嗤い、日々の生活と我が子の安寧を守るため汲々として働く市井の人々を嗤い、田園や陋巷に身を置き都の華やぎに加わろうとしない人々を嗤うようになった。こうした嗤いは、人の世の常なのかもしれない。 だが、我々の住む社会はいささか特殊だ。我々の社会はいつしか嗤いの対象を、社会の全ての方面に向けてしまった。我々は嗤う。徹底的に嗤う。市民生活の向上を希求する声を嗤い、国策や企業活動によって被害にあった人