あれは2011年だったと思う。 カタールで開催されたアジアカップで日本は奇跡の快進撃を続け、 ついに優勝に輝いた。 その大会で松木安太郎氏もブレイクした。 松木氏がテレビ放送の中で確固たる地位を築いたのだ。 それまで松木氏のテレビ解説に寄せられる声はひどかった。 一番多かったのは「解説になっていない」というものではなかっただろうか。 確かに松木氏は細かい戦術を解説するよりも 感情的にも聞こえる台詞を大声でマイクにぶつけている。 だがカタールの大会の際に気付いた人たちがいた。 自分たちがテレビを見て声に出していることを松木氏が語っているのだと。 松木氏の解説は自分たちの声の代弁なのだと。 まるでドラマを見ながらTwitterでつぶやいているように、 テレビの音声に自分たちの素直な気持ちが反映されている。 その声の持ち主が松木氏だった。 松木氏がそんな評価を受け始めた一方で、 違和感を感じた人