<1カ月あたりの残業時間が100時間を超える「過労死予備軍」の比率が高いのは、医師、法曹、教員、運転手......とこれまでにも過重勤務が指摘されている職種> 高度経済成長の時代、働き盛りの男性の脳梗塞死亡率は現在の5倍以上だった。当時は日本中がブラック企業で、表沙汰にはならなかったにせよ、労働者の過労死が頻発していたと考えられる。 日本人の働き過ぎが糾弾されて久しいが、昔と比較すれば緩和されたと言われている。週休2日制になり、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)が謳われ、そのための取り組みも進んでいる。 しかし今でも、悲惨な事例は見られる。2015年の暮れに、大手広告代理店の若手社員が過労の末に自殺した。月当たりの残業時間は100時間にも及んでいたという。日本人のワーカホリックは治癒するどころか、悪化の向きさえ感じられる。少子高齢化による人手不足も、それを後押ししているだろう。