台湾で、東京電力福島第一原発の事故後から続く日本食品の輸入規制が解かれず、日台関係に微妙な影を投げかけている。中国が日中関係改善を背景に緩和へ動き始める中、台湾側からも懸念の声が出る。 12日、台北で開かれた日本企業関係者の新年会。就任以来、初めて出席した蔡英文(ツァイインウェン)総統を前に、日本の大使に当たる日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹男代表があいさつした。 沼田氏は日台関係の好調さを評価しつつ「食品問題など解決できなかった問題もあり、中だるみというのが正直な感想だ」。苦言に蔡氏はぴくりと表情を変えたが、その後のあいさつではこの問題に直接言及せずに会場を後にした。 福島第一原発の事故からまもなく7年が経つのに、台湾が規制緩和に踏み切れない背景には世論がある。 民進党の蔡氏は一昨年の就任当初に緩和を模索したが、野党の国民党が強く抵抗。市民も年間約400万人が日本を訪れるほどなのに世論