ジョージ・W・ブッシュ元米大統領は19日、ニューヨークで講演し、米国の現状について「孤立主義者に回帰しようとしている」と懸念を示した。名指しは避けたが、トランプ大統領が掲げる「米国第一主義」に苦言を呈した形だ。 ブッシュ氏は「ナショナリズムが、移民排斥主義へとゆがんできている。移民が常に米国に活力をもたらしてきたことを忘れている」と指摘した。また「自由市場や国際貿易への信頼が薄れている。保護貿易主義の後に紛争や不安定、貧困が続いたことを忘れている」と訴えた。 トランプ氏が移民や難民に不寛容であることや、自由貿易を軽視していることを念頭に置いたとみられる。 さらにブッシュ氏は「米国では全ての人種や宗教、民族は平等だ」と強調。白人至上主義などの顕在化を「米国の信条への侮辱だ」と批判した。「米国の若者には、前向きな手本が必要だ。政治の世界のイジメや偏見が、全国的な風潮を作っている。無慈悲や偏狭を