90年代から今日まで、「魔法少女まどか☆マギカ」「鬼滅の刃」など数々の名作アニメで劇中音楽を手がけ、今月もソロプロジェクト「FictionJunction」で9年ぶりのニューアルバム「PARADE」を発売する作曲家の梶浦由記氏。バンドの一員としてデビューした梶浦氏が「アニメ音楽」にハマった背景には、深夜アニメ黎明期の「緩さ」と、梶浦氏自身が持っていた「好きだけど、作る場所がない音楽」の絶妙な噛み合いがあったという。(取材・構成:川端隆人) ※本稿は、『THE21』2023年5月号掲載「私の原動力」より内容を抜粋、取材内容をもとに再編集したものです。 劇中音楽やサウンドトラックには興味がなかった 今でこそアニメ作品の劇中音楽のお仕事がメインですが、実は最初は「See-Saw」というバンドでのデビュー。元々大の読書好きで、映画やテレビといった映像作品自体、あまり見るほうではなく、劇中音楽やサウ