関東大震災時の朝鮮人虐殺を否定するトンデモ本『朝鮮人虐殺はなかった』(加藤康男著)は、流言蜚語をそのまま紙面に載せてしまった当時のデタラメな新聞記事などを根拠に、朝鮮人が暴動を起こしたのは事実であり、自警団などが殺したのはテロリストだったのだと決めつけている。[1] 自警団の「覚悟」 ここまでさまざまな経緯を見てきたことで、朝鮮人の襲撃事件が決して「流言蜚語」などという絵空事ではなく、実際に襲撃があったからこそ住民と自警団が自衛的に彼らを排除したのだということが理解されると思う。 今日、流通している関東大震災関係の専門書の大部分は「流言蜚語のために自警団等が朝鮮人を虐殺した」という前提に立って書かれている。 何もしない朝鮮人と見られる男が歩いて来たとしよう。 町内壊滅の騒乱状態にあったとしても、町内会、自警団、青年団員がその朝鮮人をいきなり殺すなどという行為ができるものだろうか。何もしない