ベテラン俳優を凌駕する演技力映画『バクマン。』が大ヒットしています。興行成績もさることながら、作品の出来も高く評価されています。ふたりの高校生が『週刊少年ジャンプ』での人気トップを目指すこの作品には、同誌のテーゼである「友情・努力・勝利」が充満しています。日本のマンガ文化、もっと言えば日本のコンテンツ産業を30年以上牽引し続ける『ジャンプ』の世界を2時間堪能できるのです。 映画『バクマン。』チラシ(2015年)。主演を務めるのは、佐藤健と神木隆之介。しかしこのキャスティングが発表された当初、原作ファンの多くは「配役、逆じゃない?」と受け止めていました。それはファンだけでなくスタッフも同様です。当初、監督の大根仁からこの提案があったとき、東宝の川村元気プロデューサーもそう感じたとか(※1)。 『DEATH NOTE』の大場つぐみと小畑健による原作では、絵を担当するストイックな性格なサイコーが