イギリスのEU離脱に備え、中国はいくつもの手を打っていた。メルケル首相やプーチン大統領の訪中だけでなくAIIB新規参加国を24カ国も増やしている。一方、薄熙来以来強化された中英貿易の中での中国の戦略を読み解く。 ◆先手を打った中国イギリスがEUから離脱したがっている傾向は、今に始まったことではない。早くからあった。中国はそれを知った上で、AIIB(アジアインフラ投資銀行)立ち上げに際して、イギリスとバーター交渉をしていたようなものだ。 まず金融センターの中心をアメリカのウォール街からイギリスのシティに移して、イギリスの自尊心をくすぐる。つぎにチャールズ皇太子やキャメロン首相らによるダライラマとの蜜月を批難して、困窮するイギリスの痛いところを突く。 キャメロン首相が折れたところで、「それならば」とばかりにAIIBへの一番乗りを名乗らせたのである。この経緯の詳細は2015年3月18日付けのコラ