山梨県甲州市は25日、同市塩山下於曽(えんざんしもおぞ)にある平安時代の「ケカチ遺跡」から、和歌1首が刻まれた土器が出土したと発表した。 京の都から和歌や仮名文字が広がり始めた10世紀中頃に作られたとみられ、専門家は「和歌などの貴族文化が地方にも広がっていたことを示す貴重な史料」と話している。 平安時代の土器は、墨で地名などが書かれたものの出土例が多く、京都市の平安京跡で出土した土器には、平仮名の「いろは歌」のほぼ全文が墨で書かれていた。今回の出土品は焼く前の土器に文字を刻んでおり、甲州市教育委員会は「和歌を丸々1首刻んだ土器の発見は全国で初めて」と説明する。