大晦日。WBA・WBO世界スーパーバンタム級統一王者のリゴンドーに挑んだ天笠尚 昨年、大晦日。天笠尚(山上)は、WBA・WBO世界スーパーバンタム級統一王者、ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に挑み、大方の予想通り敗れ去った。試合直後、敗者の顔はまるでアメコミの宇宙人のように腫れ上がっていた。 完膚なきまでの敗北。しかし、“最強王者”との激闘から2週間後、天笠の表情は晴れ上がっていた――。 * * * ―リゴンドー戦、振り返ってください。 「やっぱり、勝ちたかったですね。勝てる可能性がどれだけ低くても『1%の可能性を信じて、奇跡的な試合をしよう』って臨んだ試合だったんで。奇跡的な試合にはなりましたけど、奇跡は起こせなかった。どうせなら、奇跡を起こしたかったですね」 ―しかし、リゴンドーが1Rに2度ダウンを奪われたのは、天笠選手との試合が初めて。奇跡が起きる可能性も十分あったと思います。 「