台湾国防部(国防省)は19日、中国軍が研究、開発してきた対艦用の準中距離弾道ミサイル「東風21D」(DF21D)について、すでに2010年中に少数ながら生産され中国軍第二砲兵部隊に配備されている、と発表した。国防部は、台湾周辺での米軍の展開が困難になるとの見方を示している。 2年ごとに発表している「国防報告書」の中の「中国軍の軍事能力と脅威」で初めて公式に触れており、この日の報告書の記者会見で情報担当者らが説明や見解を示した。 東風21Dは「空母キラー」で知られ、これまで「研究、開発中」と見られてきた情報との相違について同部情報次長室執行官の羅曉東少将は「(台湾軍には)専門部署があり、厳密な注意を払って情報を収集、分析している」と話している。(台北 吉村剛史)