【瀬川茂子】北半球は数年後に寒冷化するかもしれない。そんな可能性を示す解析を、海洋研究開発機構の中村元隆主任研究員が、28日付米専門誌に発表する。グリーンランド海の水温が気候に及ぼす影響を解析した結果だが、二酸化炭素の増加による温暖化との関係の研究も必要という。 北大西洋を中心に、約70年周期で寒冷化と温暖化が繰り返される傾向がある。北半球は1940〜70年代にかけて寒冷化し、80年代以降は温暖化している。グリーンランド海の水温が海水の大循環を通じて、北半球の気候に影響を与える可能性が指摘されてきた。 1957年以降の海水温度を解析した結果、グリーンランド海の水温が70年周期の気候変動の先行指標になる可能性が示された。現在の温暖化は1979年にグリーンランド海の水温が2度上昇したことがきっかけで始まったとみられ、2015年前後には寒冷化が起こる可能性があるという。 関連記事北半球寒冷化