住宅建築販売会社「アーバンエステート」(埼玉県川口市、破産手続き中)が施主から注文住宅の前払い金をだまし取ったとされる事件で、同社本社や営業所で社員同士の会話やメールが禁止されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。埼玉県警は、経営が破綻(はたん)状態にあったことなどについてうわさが広がらないように、実質的経営者だった元会長の永井昭四郎容疑者(61)=詐欺容疑で逮捕=が社員を徹底的に管理しようとしていた、とみている。 捜査関係者によると、社内の隅々には、音声が拾える監視カメラも設置されていた。 「社員同士で話すな」と箝口令(かんこうれい)が敷かれ、社外で社員同士が飲み会を開くことも禁じられていたという。 同社元社員は「社員は横のつながりがなく、破綻まで経営状態を知らない者が多かった」と、県警に話しているという。 また、捜査関係者によると、同社が東京地裁に自己破産を申請する2カ月