新車販売に復調の兆しが出てくるなど、「どん底」(豊田章男トヨタ自動車社長)からは何とか脱出した自動車業界。もっとも、復調はエコカー減税や買い替え補助による政府支援のおかげだ。支援を追い風にした空前のエコカー・ブームも、「需要の先食い」との見方が根強い。このまま本格的な回復軌道に乗れるかは不透明で、視界は晴れない。 [グラフでチェック]エコカーの要、市場握れ 自動車向けリチウムイオン電池の市場予測 ■7、8月は30%増 「7月は販売目標台数を3割近く上回るペースで推移している。今後も大いに期待できる」 首都圏のホンダ系列ディーラーの店長は、ホクホク顔だ。足元の新車販売は活気にあふれている。 自動車メーカー主要8社がまとめた今年上期(1〜6月)の国内生産台数は、全社で過去最大の下落率を記録した。しかし、エコカー減税対象車の売れ行きが好調なうえ、中国市場も急回復しており、工場の休日出勤