魔法使いが増えているのだという。 魔法使いと言っても、別にサリーちゃんでもキキでもなく、ここでは悲しき中年の童貞男子のお話。ネットの一部を中心に、30歳になっても童貞だと魔法使いに、40歳で妖精に、そして50歳だと仙人になれると言われているそうだ。四十代半ばの中年の童貞にして妖精…なんて、本物の妖精サイドから猛クレームが来そうだけれど、言わんとすることはなんとなくわからなくもない。 そして、問題はこの魔法使いやら妖精やらが増えているということだ。なんでも、30歳以上の未婚男性のうち4人に1人が童貞なのだとか。人数にして、200万人を超える。彼らが魔法を使って世の中を良くしてくれるなら大変結構なことだが、実際はそんなことはない。彼ら中年童貞の抱える問題を探ったノンフィクション『ルポ 中年童貞』(中村淳彦/幻冬舎)を読めば、魔法使いや妖精といったファンタジーな言葉とは裏腹の、悲惨な現状が見えて
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