東日本大震災から3カ月半。鬱(うつ)や不眠症を抱える被災者への心のケアが重要視される中、ストレスなどによる被災者の大量飲酒やアルコール依存が懸念されている。被災地で支援に当たる国立病院機構「久里浜アルコール症センター」(横須賀市野比)の樋口進院長は「被災地では、もともと飲酒習慣のある人の酒量が増える恐れがある」と指摘。1995年の阪神大震災では、大量飲酒が原因とみられる孤独死が多数確認された。重症化を回避するための継続的な支援が求められている。 同センターは岩手県の要請を受け、3月下旬から同県大船渡市に「こころのケアチーム」を派遣。医師や看護師、臨床心理士らでつくる3~4人のチームを編成。各班が5日間前後の交代で現地に入り、避難所や自宅を巡回、被災者の精神的ケアに当たっている。 被災者の飲酒をめぐる問題が顕在化したのは5月中旬ごろから。コンビニやスーパーの復旧で酒類が手に入りやすくなっ