だるい、眠い、体が重い--。日本人の6割が感じているとも言われる疲れ。疲れは痛みや発熱と同様、体の異常を知らせるアラームだ。これまで客観的に測る物差しがなかったが、最近新たな測定法が開発されつつある。その一つが、唾液(だえき)の中にいるウイルスの量を調べるというもので、1年以内に実用化できそうだという。【斎藤広子】 東京都内に住む会社員の女性(32)は昨年の育児休暇中に味わった悔しい思いが忘れられない。昼夜を問わない乳児の世話でへとへとに疲れていたが、「仕事を休んで家にいるんじゃないか」と、夫は家事も育児もほとんど手伝ってくれなかった。「いくら『疲れた』と口で言っても説得力がなくて困った。『これだけ疲れているから手伝って』と数値で示せる材料が欲しかった」と振り返る。 疲れはこれまで客観的な指標がなく、どのくらい疲れているのか、自己申告に頼るしかなかった。東京慈恵会医科大の近藤一博教授(ウイ