体内で真珠を作るアコヤガイのほぼすべての3万種の遺伝子を、東京大とミキモト真珠研究所(三重県)などのチームが特定した。一部の遺伝子は知られていたが、大半は不明だった。判明した遺伝子のうち、真珠形成にかかわる遺伝子を詳しく調べれば、美しさの謎に迫ることができそうだ。またアコヤガイは近年生産量が減少傾向にあり、遺伝的に良質な真珠を作る種を選んで養殖して、生産性を高められる可能性もあるという。 米科学誌「プロスワン」(電子版)に23日、論文が掲載された。 真珠を作る貝は世界中に広く分布するが、日本のアコヤガイは特に美しいとされる。 真珠は、核となる物質の周りに炭酸カルシウムの結晶でできた厚さ0.3~5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の「真珠層」と、たんぱく質が、交互に約2000層重なってできる。光が当たると、各層で反射した光が互いに干渉しあって、美しく輝く。真珠層の間のたんぱく質はさ