《2》 前回、「テニスができる身体と認識」「飛行機の操縦ができる身体と認識」という言い方をしたが、これは言うまでもなく、人間を論じる場合は、必ず認識と実体の両面から捉えなければならないからである。それで「〜ができる身体と認識」と書いた。 それゆえ、基本とは実体面だけではなく、認識面でも見ていかなければならず、それだからある習い事が好きになるような働きかけを基本練習にしなければならない。好きになるとは、何をやっても楽しい運動のことではない。辛くともそれが喜びになるような指導が必要である。その人の情熱や志に火をつけるような指導で基本を修得させなければなるまい。 さて、われわれが何か学習または習い事を始める場合、それは初めての経験になる。今までやったことがないことをやるのだ。 われわれが生をうけて最初に主体的にいわば「習い事」を始めるのは、座ることである。それまでの寝たままの状態から、自