「サバルタン・スタディーズ」への社会的な関心が一昨年来、一定の盛り上がりを見せ、それを受けて東京グラムシ会でのサバルタン論議や「サバルタン・ノート」の翻訳刊行があった。ところが、それらを経験するなかで、私自身はどこかしら消化不良な感じが残っていた。 何か大事なことを忘れている、との思いが抜けないまま、ついついほかのテーマに関心が移っていったのだが、先日読んだ、丸谷才一・山崎正和『20世紀を読む』(中公文庫)の「匪賊と華僑」の項で、良知力『向こう岸からの世界史』について触れられているのを読み、おぼろげに思い出した本があった。 それは、ホブズボーム『反抗の原初形態』である。 これはかつて中公新書で読んだ記憶があるが、いまでは手元になかった。 古本屋でも注意して探してみたものの、なかなか目にする機会もない。 どこかで「これは抄訳・部分訳であり、完訳がほかに出ている」ことを知ったものの、実際に手に
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