朝刊を広げたら、週刊現代の新聞広告を目に入った。 特集は「中国、『好き』か『嫌い』か」。 なんと。 外交は好き嫌いでやるものではない。 小学生ではないのだから、「好き嫌い」で外交戦略を決するような愚かしいことは止めて欲しいものである。 どのような人がこのような特集に寄稿しているのか一瞥すると、「中華思想の骨法がわかれば中国は御しやすい」などという愚なるタイトルを掲げた文を草しているものがいる。 誰だ、このバカはと思ってみると、私の名前が書いてある。 う? そんなもの私は書いたのか? たしか十日ほどまえに「中国との付き合い方」というタイトルで寄稿を依頼された覚えがある。 週刊現代だったかもしれない。 その中に私は「好き嫌いで外交方針を起案するような愚かなことはいい加減やめたらどうか」ということを書いた。 外交戦略は先方がどのような国家像をもち、どのようなコスモロジーのうちにおのれを位置づけて