炎上した装備開発プログラムのいろいろ IT業界には「デスマーチ」という言葉がある。ところが、当初の見込み通りに開発が進まずに遅延するあるいはコストが上昇するといった話は、この業界に限った話ではない。本連載のテーマである防衛産業界でも、「装備開発プログラムの問題」は古くて新しい問題と言える。 これは防衛産業界に独特の問題というわけではない。だがこの業界では、国民の血税が使われていること、動くおカネが巨額であること、さまざまな方面から政治的思惑による口出しが発生することが、話をややこしくしている。 特に1980年代以降、装備品の高度化・ハイテク化が開発期間の長期化や開発費・調達費の上昇につながり、問題を大きくした。しかし一方では1991年の湾岸戦争以来、「量では質に対抗できない」というのが業界の共通認識になっているため、高度化・ハイテク化を止めるのは難しいという状況もある。 身近なところでは、