高校教師時代の教え子から届いたEメールを読みながら、涙が零れた。 彼――ブランドン・ジョージは書いた。 「センセイ、僕、大学に行くことにしました。高校を卒業してから、今まで働いてお金を貯めてきたけれど、やっと見通しがついたんです。頑張って学んで、映画監督を目指します!」 底辺校の教え子、大学へ 複雑な家庭に育ちながら、いつも幼い弟と妹の面倒をみていたブランドン。彼には、芯の強さを感じた。私が心配しなくても、自分の足できちんと歩んで行けるタイプだと思っていたが、こういう便りは心が温かくなる。 2008年6月に高校を卒業後、ブランドンがどんな思いで暮らしていたかを知っているだけに、涙が止まらなくなってしまった。おそらく教師の喜びとは、こんなところにあるのだろう。 「やったな! 流石だな! お前を誇りに思う。近々会おう。夕食でもご馳走しようじゃないか。どこにでも行きたいところに連れて行くぜ!!」