混流生産の原点は、1980年代のマツダの工場にあった なぜ、そんな突飛な考えに至ったのか? 藤原専務に尋ねてみると、実はこのやり方の一部は、マツダにとって温故知新だったという。「昔のファミリア、カペラ、ルーチェを作っていた時代のマツダの工場では、実は混流生産を行っていたんです。車体を固定する治具台座(じぐだいざ、図)は三面を持ったリボルバー形状になっており、それぞれの面にファミリア、カペラ、ルーチェの車体を固定できるようになっていました」。 この治具を使えば、台座を回転させるだけで3種類のクルマを固定できる。普通ならまずファミリアの予定生産台数を作って、ラインを止め、治具を交換するかセッティングを変えて、カペラを作り……という具合で、度々ラインが止まる。「そうじゃなければ生きていけなかったんです」。お金もない。単一車種でラインをフル稼働できないという制約を跳ね返すために、知恵を絞って回転式
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