「日常風景」の一部になった防疫体制 中国・韓国からの入国制限の強化、全国の学校への休校要請など、ようやく新型コロナウイルス感染症への本格的なアクションを取り始めた日本政府。一方、台湾の政府当局は日本よりほぼ1カ月先行して、数々の強力な防疫対策を実施してきた。 日々の生活の中で、市民が不便や不自由を強いられる場面も少なくない。筆者の台北事務所のある建物を含め、ビルやレストランの入口で警備員に体温チェックされるのは当たり前だ。工事現場でも現場に立ち入る作業員全員に、検温と手指のアルコール消毒を励行させている。企業や工場などでは、入り口の検温で37.5度以上あればその場で出社禁止になるし、病院でもマスクを着用しない人は建物への立ち入りを拒まれる。 だが、2月28日に台湾で行われた民意調査では、国民の77%が感染拡大に不安を覚えると答えながら、82%が蔡英文政権の防疫政策には満足していると答えてい