曲名からして思いっきり喧嘩腰な1曲目「誰かの幸せは僕の不幸せ」が、まず衝撃的。こりゃまたどあたまからどす黒いメッセージを……そう驚きつつ聴き進んでいくと、“誰かが端にならなきゃ”と“誰かが橋にならなきゃ”。対照的なそんな2行が交錯。絡み合うヴォーカルとピアノがかきたてる演奏のダイナミズムとあいまって、単純に白黒つけられないもつれた感情、そのありのままを活写していく。ヒグチアイは、今回のメジャー・デビューに至るまでに、すでにインディーで2作を発表。“激情の歌い手”と呼ぶ向きもあるようだが、“混沌”に焦点を与えることができる、聡明な表現者でもある、ということだろう。視界の盲点を指しているらしい『百六十度』。いいアルバム・タイトルですね。 「〈誰かの幸せは…〉でも、最後の1行で“わかちあいたいなあ”と歌っている。歌い出しからすると思いっきりひっくり返してる感じなんですが、実際には喧嘩売ってる気分
シンガーソングライターのヒグチアイが11月23日、待望のメジャーデビュー・アルバム『百六十度』をリリースする。ピアノの弾き語りを基軸としたオーガニックなバンドアンサンブルと、自身の恋愛体験を基にした赤裸々な歌詞の世界、そして、昨今珍しいエモーショナルなアルトボイスが非常に印象的であり、例えばフィオナ・アップルや鬼束ちひろ、最近だと赤い公園の佐藤千明あたりを彷彿させるものがある。 幼少の頃から始めたクラシックピアノで大きな挫折を味わい、その後も疎外感や焦燥感を募らせながら、自分の居場所を手探りで探し続けてきたヒグチ。そんな暗闇から生まれた楽曲の数々は、私たち聴き手の心にそっと寄り添いながら、小さな灯火を宿してくれるだろう。 アルバムタイトルは、人間の視野(360度のうち200度)の残りの領域を指しているという。そこにはどのような思いが込められているのだろうか。新作についてはもちろん、彼女の生
「ぼくとおばあさん」は彼女が11月23日にリリースするメジャーデビューアルバム「百六十度」の収録曲。MVでは犬とおばあさんが共に過ごした日々や別れをアニメーションで描く。ヒグチはこの映像について「あまりに直球で、言葉が必要ないのではないかと思いました。(一度音をミュートして映像だけ見て欲しい。)」「ヒグチはなにが言いたいんだ、と曲を聴いて思っていた人たちの答え合わせのようなMVです」とコメントしている。なおこの映像は11月末までの期間限定公開となる。 ヒグチアイ コメントあまりに直球で、言葉が必要ないのではないかと思いました。(一度音をミュートして映像だけ見て欲しい。)避けてきたものを、代わりにやってくれたような気持ちで、そこに、温度があったのではないかと思わせられました。ヒグチはなにが言いたいんだ、と曲を聴いて思っていた人たちの答え合わせのようなMVです。
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