不安定と未来の不安 パリにて 先週書いたCPE(初採用契約)に対する抗議運動は、ますます広がった。3月16日のデモには高校生も大勢参加し、18日土曜の大学生・高校生、労働組合、政党の統一デモの前夜には、全国の大学長の代表がCPE実施の延期と反対側との話し合いを首相に要請したほどだ。 晴天に恵まれた18日のデモには、一般市民もたくさん加わった。主催側の発表150万人、警察発表53万人(全国)だから100万人以上だろう。パリでは約20万人、家族連れなどさまざまな世代が混じり合った壮大な規模だった。工夫をこらしたプラカードを持ち寄り、顔にペイントしたり仮装したりと、創意に富んだアピールを考えるフランスのデモは、楽しいエネルギーに満ちている。 でも、若者たちの元気な抗議のもとにあるのは、昨年の秋、恵まれない郊外で暴力として爆発したのと同じ将来への不安と、社会の中で自分を実現したいという