2006年10月03日 リエイゾン精神医学の虚妄(2) [医学・科学関連] 先日の夕方、やっとこさ午後の外来診療を終えようかという頃、外科系病棟の看護主任から電話がかかる。4ヶ月前から交通事故で入院している少女が最近精神的に不安定なので、見てくれないかというのだ。その少女は横断歩道を歩行中、車に引っかけられ、数百メートルを引きずられて、背部から臀部に、筋層に達する広範な皮膚欠損創を受けたのだった。 幸い、骨には異常が無いのだが、背中の大部分がズルむけ状態で、この4ヶ月間、上向きにもなれず、ずっと腹這いのまま創部処置を続けているが、なかなか皮膚が上がってこず、二度ほど行った皮膚移植も一部しか生着しないとのことだった。 特に創部の消毒処置の際、激しい痛みを訴え、最近では処置の日になると朝から泣いていたり、独り言をいっていたりする。母親に「あの窓から飛び降りたら死ねるだろうか」などと尋ねたりす