牛が拓く農地の未来 放牧で鳥獣被害減少、耕作放棄地を再生 (1/2ページ) 2008.11.27 09:09 耕作放棄地などに牛を放牧する取り組みが広がっている。牛に草を食べさせることで、雑草が生い茂った土地を再び農地として使えるようにするだけではなく、耕作放棄地をすみかとするイノシシなどによる周辺田畑の鳥獣被害防止や、飼料代の節約といった利点もある。また、人への被害が広がっているヤマビルを抑制する手段としての研究が進むほか、市民農園としての活用も模索されている。農林水産省では、食料自給率向上につながるとして、牛の活用に期待を寄せる。(森本昌彦) 「正直、こんなに効果があるとは思わなかった」。平成18年から、耕作放棄地で牛の放牧を実施している神奈川県伊勢原市の農政課長、田中丈司さん(50)は語る。放牧を始めたのは、野生鳥獣による周辺農地の被害が深刻なため。イノシシ、シカ、サルによる被害が