オーストラリアが、インドネシアを経由した海路からの上陸を目指す「ボート・ピープル」への対応に苦慮している。政情が悪化している中東や南アジアからの難民がほとんどで、老朽化した木造の漁船に多くの人を乗せて外洋に出るため、遭難事故も多発している。オーストラリア側は海軍を投入した取り締まりなど水際作戦を強化する方針だ。ただ、出港地となっているインドネシア側からの協力がどれだけ得られるかは不透明で、効果的な解決策は見いだせない状況だ。(シンガポール 吉村英輝) 9月27日、約100人の難民を乗せた漁船が、インドネシア西ジャワ州から、約340キロ離れたオーストラリアのクリスマス島を目指した。しかし、沖合で4~6メートルの高波にさらわれて転覆。インドネシア当局が行方不明者の捜索を続けたが、AP通信によると救助された難民は35人にとどまった。 これらの難民について地元メディアは、レバノンやパキスタン、イラ