(英エコノミスト誌 2008年12月13日号) 国の経済規模からすると、アイスランドの銀行破綻は世界中どの国も経験したことがない史上最大の破綻劇だった。アイスランドの危機には、海の彼方の国々にとっても学ぶべき教訓がある。 レイキャビクの古い港からほど近い丘の上に、人が住むに堪えなかったアイスランドに初めて入植した北欧人インゴルフル・アルナルソンの銅像が立っている。 銅像は貯蔵庫のようなビルを見下ろしている。入植から1100年以上の時を経て、アルナルソンと似た生存術を見せてきたダビッド・オッドソン氏率いるアイスランド中央銀行である。 オッドソン氏は中銀総裁に就任する前、13年以上にわたって首相の座にあった。これは史上最長の在任期間であり、その間にアイスランドは世界屈指の富裕国になった。オッドソン氏は長年、アイスランドで最も人気の高い政治家であり、強烈なサッチャー主義で銀行システムの大半