ストルガツキー兄弟が、ロシア最高のSF作家だったことは間違いない。でもこのような評価だけでは、その真価を表すに十分ではないだろう。ストルガツキー兄弟はそのジャンルや時代よりも幅広く、そして奥深かった。まさにそれ故に、ソ連のほとんどの作家が超えることのできなかった、新旧国家体制の境界線を、軽々と超えることができたのではないだろうか。また、可能な限り「時間の流れ」を結びつけて、過去と新時代の継承性も守った。 ストルガツキー兄弟 ボリス・ストルガツキー(1933年4月15日~2012年11月19日)とアルカジイ・ストルガツキー(1925年8月28日~1991年10月12日)は、ソ連およびロシアのSF作家で、現代科学的・社会的SFのクラシックとなった本を数十作、共同で書いた。アルカジイは日本研究家の通訳でもあり、極東国際軍事裁判の準備にも参加していた。 幸せな人類の夢 ストルガツキー兄弟は、マル