追い込み漁で捕まえた野生のイルカを買い続けるのか、それとも繁殖でまかなうのか。世界協会からの除名予告に、日本動物園水族館協会(JAZA)が揺れている。水族館のイルカはどうなるのだろうか。 4月21日。JAZAの長井健生(けんしょう)・専務理事は、スイスに本部を置く世界動物園水族館協会(WAZA)から届いたメールに驚いた。いきなり「会員資格を停止する」とあったからだ。 問題視されたのは、和歌山県太地町の追い込み漁。イルカの群れを入り江に追い込んで捕獲するやり方がWAZAの倫理規定に反しているうえ、日本の複数の水族館が、追い込み漁で捕まえたイルカを購入していると指摘。22日には「全ての会員に対し、残酷で手段を選ばない方法で、自然界から動物を捕獲するやり方を禁じた方針に忠実であるよう求めている」との文書を公表した。1カ月以内にイルカの購入をやめなければ除名すると通告された。 WAZAは10年以上